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補助金は、結局いくら出るのか — 交付決定額23,341件の実測
公開 2026年9月7日 / 数字の測り直し 2026年9月7日
中央値は1,005万円。半数は438万円〜2,000万円に収まる
補助金の交付決定額が判明している採択事例は、当サイトに 23,341件 ある。その 中央値は1,033万円。真ん中の半数は 452万円〜2,000万円 の範囲に入る。
平均は 2,357万円 で、中央値の2倍以上ある。23,341件のうち18,539件(79%)が平均を下回る。最大は40億円、最小は4万円(0円の61件を除く)。合計は5,502億円。
平均が中央値より上に離れるのは、上に長い裾があるからだ。上位1%にあたる233件だけで、23,341件の総額の29.2%を占める。金額順に並べて233件目の額は1億9,100万円。それ以上の233件と、それ以下の23,108件に分かれる。
「補助金の平均額は◯◯万円」と書くとき、その平均は上位1%が引き上げた数字になる。自社が受け取る額の見当を付けるなら、見るべきは中央値と四分位のほうだ。
金額帯で数えるとこうなる。
| 金額帯 | 件数 |
|---|---|
| 0円 | 61 |
| 100万円未満 | 1,270 |
| 100万〜500万円 | 5,067 |
| 500万〜1000万円 | 4,426 |
| 1000万〜3000万円 | 8,568 |
| 3000万〜5000万円 | 2,242 |
| 5000万〜1億円 | 1,195 |
| 1億〜5億円 | 414 |
| 5億〜10億円 | 55 |
| 10億円以上 | 43 |
1000万〜3000万円の段までで19,392件、全体の83.1%になる。1億円以上は512件で2.2%。
制度が違えば桁が違う
「補助金」と一語でくくると平均が意味を失う。交付決定額まで判明している3制度を並べる。
| 制度 | 件数 | 中央値 | 中央50% | 最大 |
|---|---|---|---|---|
| SII省エネ補助金 | 11,404 | 546万円 | 204万円〜1,394万円 | 40億円 |
| 事業再構築補助金 | 11,737 | 1,632万円 | 991万円〜2,381万円 | 5億円 |
| ものづくり補助金 | 200 | 930万円 | 679万円〜1,000万円 | 3,500万円 |
中央値でSII省エネと事業再構築は3倍違う。最大額では8倍違う。全体の中央値1,033万円は、546万円・1,632万円・930万円のどれとも一致しない。制度をまたいだ1つの数字は、どの制度の水準も表さない。
分布の形も制度ごとに違う。事業再構築補助金は中央50%が991万円〜2,381万円で、1,000万円前後から2,000万円台に集まっている。SII省エネ補助金は下が30万円、上が40億円まで開いていて、中央値は546万円と3制度で最も低いのに、最大額は3制度で最も大きい。
都道府県の差は、その県で何の制度が使われたかの差
都道府県別に中央値を出すと、上位と下位で3倍近く開く。
- 中央値が高い順: 広島県 1,493万円(589件)、石川県 1,380万円(346件)、岡山県 1,309万円(436件)
- 低い順: 青森県 500万円(127件)、高知県 750万円(96件)、新潟県 794万円(681件)
件数が最も多い大阪府(2,213件)は中央値で7位、2位の愛知県(2,155件)は27位、3位の東京都(2,090件)は11位。件数の順位と1件あたりの順位は一致しない。
ただしこの順位は、そのまま「その県は多くもらえる」を意味しない。県ごとに、収録している制度の構成が違う。東京都の交付額つき2,090件のうちSII省エネ補助金は15%しかないが、山形県は71%がSII省エネだ。中央値の低いSII省エネの比率が高い県ほど、県全体の中央値は下がる。
制度をそろえて見ると順位は入れ替わる。
- 事業再構築補助金だけで見ると、東京都は30件以上ある47県のうち46位(1,333万円)。1位は三重県の2,000万円、最下位は沖縄県の1,114万円。
- SII省エネ補助金だけで見ると、東京都は47都道府県中17位(580万円)。1位は広島県の800万円、最下位は青森県の263万円。
全体では11位の東京都が、制度をそろえると46位と17位になる。地域差として見えていたものの大半は、制度の構成の差だった。
テーマ別では、設備が重い分野ほど額が大きい
事業計画名から自動分類したテーマ別に中央値を出す(分類は既存のタグ体系をそのまま使っている)。
| テーマ | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 再生可能エネルギー | 330 | 3,000万円 |
| 半導体・電子部品 | 760 | 2,639万円 |
| 金属加工 | 2,025 | 2,000万円 |
| ロボット・自動化 | 535 | 2,000万円 |
| 試作・開発 | 2,096 | 2,000万円 |
| DX・業務システム | 1,558 | 1,500万円 |
| EC・販路開拓 | 1,971 | 1,127万円 |
| 飲食 | 1,877 | 1,000万円 |
| 介護・福祉 | 951 | 705万円 |
| 省エネ・環境 | 12,173 | 615万円 |
上位と下位で5倍近く開く。ここでも制度の構成が効いている。「省エネ・環境」の12,173件はほとんどがSII省エネ補助金で、中央値がそのまま制度の中央値に近い。
事業再構築補助金だけにそろえても、上位は半導体・電子部品 2,999万円(694件)と再生可能エネルギー 3,000万円(281件)で全体と同じ顔ぶれになる。下位も教育 1,000万円(528件)、EC・販路開拓 1,195万円(1,907件)、飲食 1,243万円(1,526件)と変わらない。設備の単価が高い分野が上、人手とソフトウェアが中心の分野が下という並びは、制度をそろえても残る。
大きく動くのは「省エネ・環境」だ。全体では25分類の最下位(615万円)だが、事業再構築補助金に絞ると2,000万円(885件)で、100件以上ある23分類のうち7位に上がる。全体で見たときの615万円は、この分野の水準ではなく、SII省エネ補助金の水準だった。
10億円超の43件は、全部が省エネ設備だった
10億円以上の交付決定は43件ある。43件すべてがSII省エネ補助金で、事業再構築補助金とものづくり補助金には1件もない。
並んでいるのは、製鉄所の高炉送風機の電気駆動化、製紙工場の動力設備の燃料転換、ビール工場のライン更新、ガスコージェネレーションの導入だ。最大の40億円は3件で、JFE条鋼(岡山県)、日本海水(香川県)、箱崎ユーティリティ(福岡県)の事業になる。
この43件のうち8件は、事業者名がリース会社との連名になっている。そして8件すべてが、オリックス(7件)か三井住友ファイナンス&リース(1件)だ。SII省エネ補助金の交付決定案件一覧は共同申請者を「事業者名」の欄に並べて公表しているので、これは推定ではない。
リース会社の関与は10億円超に限った話ではない。SII省エネ補助金の11,454行のうち、事業者名が連名になっているのは2,047行(17.9%)、うちリース系の社名を含むのは1,146行(10.0%)。連名の相手として最も多いのは三菱電機フィナンシャルソリューションズの559件。三井住友ファイナンス&リース192件、共友リース156件、三菱HCキャピタル124件、オリックス72件が続く。
連名の案件は金額が大きい。SII省エネ補助金の中で、連名2,047件の中央値は813万円、単独名義9,407件の中央値は494万円。リース系の社名を含む1,146件だけを取ると中央値は1,013万円になる。
事業再構築補助金の採択者一覧には「リース会社:事業者名」という独立した列がある。17,759行のうち埋まっているのは401行(2.3%)で、交付決定額まで判明している11,737件では123件(1.0%)。その123件の中央値は1,912万円、記載なしの11,614件は1,630万円だった。連名のほうが金額が大きいという同じ向きの差が、制度をまたいで出ている。
どちらが先かは、この数字からは分からない。設備投資が大きいからリースを使う、という向きも同じ数字に当てはまる。
採択者一覧に金額は載っていない
ここまでの数字は、公式資料をそのまま読んでも出てこない。理由は資料の作りにある。
当サイトが保有する採択イベント109,910件のうち、金額が付いているものは0件。採択者一覧は事業者名・所在地・事業計画名・認定支援機関名を載せるが、いくら出るかは載せない。事業再構築補助金の採択結果ページも、公表されているのは地域別・業種別の事業計画の一覧で、金額の欄はない。
逆に、交付決定の側には計画名がない。保有する交付決定イベント186,266件のうち、事業計画名を持つのは11,454件(6.1%)で、そのすべてがSII省エネ補助金だ。gBizINFO が公開する補助金交付情報は、法人番号・制度名・交付額・年度は揃っているが、その企業がどんな計画で通ったかは書いていない。
だから当サイトは、この2つを法人番号などで突き合わせている。交付額つき23,341件のうち11,937件(51.1%)は、この突合で初めて計画名と金額が同じ行に並んだものだ。残りの11,404件は、SII省エネ補助金が計画名と交付決定額を1枚のPDFで同時に公表しているぶん。
突合できた割合は回次によって違う。事業再構築補助金では、第8回で86.1%、第9回で84.6%、第10回で78.9%、第11回で81.0%。第12回は41.5%、第13回は8.4%まで落ちる。回次が新しいほど割合が下がる。交付決定は採択のあとに行われるので、直近の回次は突き合う先がまだ増えている途中になる。
なお、ここで言う交付決定額は事業に着手する前の額で、事業完了後に確定する額とは別のものだ。当サイトは確定額を持っていない。
自分の水準を知るための3ステップ
- 制度を決める。
/seido/から自社が出す制度のページへ行く。中央値と中央50%が制度ごとに出ている。制度をまたいだ平均は見ない。 - 地域とテーマで絞る。
/chiiki/{都道府県}/と/theme/{テーマ}/を見る。交差ページ/chiiki/{都道府県}/{テーマ}/には、その県・そのテーマの事例と金額が並ぶ。 - 同じ額の帯の計画名を読む。
/kofugaku/は交付額の大きい順に1ページ60件で並べてある。自分が狙う額の帯のページを開けば、その額で通った事業計画名がまとめて読める。
この数字が届かない範囲
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この数字は2026年9月7日に測ったものだ。当サイトは交付情報を毎日足しているので、同じSQLでも日を置けば数字は動く。サイトの他のページはビルドのたびに測り直しているため、この記事の数字とわずかにずれることがある。
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交付額が分かるのは、収録している公開事例223,564件のうち23,341件(10.4%)だけ。事業計画名まであるものは99,865件ある。
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交付決定額が1件でも取れている制度は、収録12制度のうち3制度。IT導入補助金の112,565件、小規模事業者持続化補助金の15,564件、省力化投資補助金の11,558件には交付額が1件もない。制度別の中央値は、この3制度以外には出せない。
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突合は法人番号に依存する。採択者一覧に法人番号が載っていない回次は突き合わない。ものづくり補助金の突合が41,420件中200件(0.5%)にとどまるのはこれが理由になる。
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0円が61件ある。すべて事業再構築補助金で、公表資料の交付決定額が0のまま残っている行だ。中央値・四分位・最大最小はいずれも0円を除いた23,280件から採っている。
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個人事業主は数に入っていない。収録している45,713件(うち交付額つき50件)は、公開する集計・一覧・エクスポートのすべてから外してある。この記事の数字は法人・団体だけのものだ。
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これは生存リストだ。公表資料は差し替えられ、取り消しもある。当サイトが把握している取り消しは111件。過去に公表されて今は公式サイトから消えた行は、原本を取得済みでなければ再現できない。
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公式の発表件数との突き合わせはしていない。各制度の公式発表の採択者数と当サイトの収録件数を比べた表は、この記事では出していない。
この記事の数字はすべて、当サイトが収録する公表資料から自分で集計したものです。集計に使ったSQLと出力は当サイトで保管しており、数字の根拠のお問い合わせにはこれをもとにお答えします。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご連絡ください。
出典(一次情報)
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